一般向けノート

良い品質のものを選択する実験 -置く位置か品質か-

本日はちょっとした豆知識を紹介します。

私たちは日常生活でさまざまな選択をしながら生活しています。例えば、スーパーで肉や魚を選ぶとき、ほとんどの人が新鮮そうなものを選びたいと考えます。しかし、私たちは本当に肉や魚を新鮮そうと思ったものを選択しているのでしょうか?(もちろん、見た目から明らかに新鮮そうなものとそうでないものの場合は新鮮そうなものを選択します)

これから紹介する実験は、被験者は品質で選んでいると思っているが、実は商品の置いてある位置によって選んでいることを証明した内容です。

商品の置かれた位置が買い物客の品質選択に与える影響を検討した実験

方法

スーパーに買い物に来た客にA、B、C、Dとラベルがついた靴下のうち最も品質の良いものを選択してもらう実験を行いました。しかし、実はこの4つの靴下はすべて同じ靴下でした。

結果
結果はDが40%の確立で最も品質の良い靴下であると選択されました(A:12%、B:17%、C:31%)。

実験ではほとんどの客が左側の靴下、つまりAから順番にB、C、Dと比較していきました。この結果として、左から順番に比較していき、最終的にあまり品質に差がないと判断した結果、最後に見たDを選択したと解釈されています。もし、Dの品質にしっくりこなかったらひとつ前のCを選択し、それでしっくりこなかったらBへと戻って選択するということになります。この結果から言える事はもともとの順番が後のものほど選択されやすくなるということです。

しかし、客になぜこの靴下を選択したのか尋ねたところ、「伸縮性が良い」などの品質に関する感想のみで、商品の位置に関する感想が一つもありませんでした。

まとめ

これらから、ヒトは、意思決定は自分がどのように選択をおこなっているか自覚できているとは限らず、周りから手に入る情報(この実験では靴下の品質)を用いて、自分の選択を上手く説明できる理由を作り上げているということです。自らの選択結果と統合するもっともらしいストーリーを事後的に作り、しかも、本人は偽るつもりもなくそのことをしています。

これらの実験から私たちは日常で新鮮な食品や品質が良いものを選択し、なんの偽りもなく「これは私が好きで選んだ」と思っているかもしれませんが、実は商品の位置によって選択している可能性(店側によって選択させられている可能性)もあるということです。

参考文献

・Wilson T.D and Nisbett R.E. The accuracy of verbal reports about the effects of stimuli on evaluations and behavior. Social Psychology 1978: 41; 118-131

・選択と誘導の認知科学 山田歩 新曜社

 
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投稿者

tsujimoto.kengo8762@gmail.com

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