学生用ノート

病態生理

シリーズも第4回目となりました。

前の記事をご覧になられる方コチラからどうぞ。

第1回

第2回

第3回

さて、”神経筋接合部”の生理学について解説しました。

今回は、“病態生理”について記載していきます。

AChはM型ニコチン性ACh受容体に結合することを説明しました。

このM型ニコチン性ACh受容体に抗体が発現する事で骨格筋の脱分極ないしは活動電位を発生できない状況となります。

したがって、このような状況下では骨格筋の収縮発生が困難となります。このような病態の疾病は、重症筋無力症とよばれます。

一方で、シナプス小胞からACh放出を抑制するような抗体を発現してしまう病態がイートンランバート症候群となります。

さて、脳血管疾患を患い筋緊張が亢進している方に対してボツリヌストキシンを筋肉注射し、筋緊張の興奮を抑制した状態で介入する機会があります。ボツリヌストキシン存在下では非存在下と比較して、片麻痺患者に対するADL機能の改善効果は大きいことが報告されています。

このボツリヌストキシンは、シナプス小胞からACh放出を抑制するように作用します。したがって、神経筋接合部のACh濃度は上昇困難な状況下となり、筋緊張を抑制することになります。

このように生理学をベースとした場合には、病態生理や理学療法介入の意義にも繋がり、困っている方に遭遇した場合にも、1つ治療介入のseedsとなるのではないでしょうか?

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投稿者

kengo.brain.science@gmail.com

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