
痛みの受容器
今回は、”痛み”についてまとめます。
痛みについては、最近に国際疼痛学会の定義が変わったことを御存知でしょうか。
“An unpleasant sensory and emotional experiments associated with, or resembling that associated with, actual or potential tissue damage.”
“実際あるいは潜在的な組織傷害により、関連したあるいはそれに類似した不快な感覚および情動経験”
と定義されました。
これらより、痛みは実際の傷害部位のみならず、認知、情動面での理解が非常に重要であることがわかります。
今回の内容は、少し痛みの受容器と神経について触れていきます。
さて、痛みの受容器から理解しましょう。
痛みの受容器には、
・高閾値機械受容器
・熱受容器
・冷侵害刺激受容器
・ポリモーダル受容器
の4つ分類で考えるとわかりやすいのではないでしょうか。
痛みの神経には、
・Aδ線維
・C線維
が関与していることが広く知られています。
神経分類で学ぶと思いますが、神経の太さは、Aδ線維>C線維であり、電気興奮速度もAδ線維>C線維となります。したがって、それらの神経興奮性が異なることが容易に想定できます。
さて、Aδ線維とC線維には、それぞれどのような受容器が発現しているのかまとめます。
<Aδ線維>
高閾値機械受容器
<C線維>
ポリモーダル受容器
高閾値機械受容器
熱受容器
冷侵害刺激受容器
ポリモーダル受容器は、ポリ(多くの)、モーダル(様式)というように、種々の情報を中枢に伝搬します。
したがって、急激な刺激はAδ線維の活性化が、一方で、炎症反応や循環障害などで反応する痛み刺激はC線維の興奮が主となると想定すれば臨床において解決しやすいのではないかと想定します。
次回は、神経の興奮からその伝導について解説します。
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