
炎症反応について
今回は、”神経の興奮からその伝導”についてまとめる前段階である”炎症反応について”をまとめていきます。
炎症は
①発赤 (rubor・redness)
②腫脹 (tumor・swelling)
③熱感 (color・heat)
④疼痛 (dolor・pain)
⑤機能障害 (dysfunction)
の5大兆候が重要であることは言うまでもありませんが、それぞれの現象には種々があり、炎症における血管拡張や血流増加、血管透過性亢進などの微小血管反応などが起こることが知られています。
炎症に関与する化学伝達物質として、ヒスタミン(His)やセロトニン(5-HT)、ブラジキニン(BK)などが関与します。
His、肥満細胞や好塩基球に存在し、外傷などの物理的刺激や炎症性サイトカインなどに反応して放出されます。
5-HTは、脳や小腸、血小板に存在し、組織傷害が起こることで、傷害部位に血小板が凝集し、放出されます。さらにBKは、組織損傷によって生成される発痛物質です。
これら5-HTが血管収縮を引き起こすことが報告されており、一方でHisやBKは血管拡張を引き起こします(但し、教科書レベルの話題提供ですので、臨床編ではもう少し考える必要があります)。
血管内皮細胞が傷害されることで露出されたコラーゲンに血小板は粘着します。フォンビルブラント因子(vWF)に血小板は粘着し、フィブリノーゲンを介して血小板を凝集します。活性化された血小板からはADPやトロンボキサンA2が放出されます。これらの物質は、血管収縮反応を惹起します。所謂、止血反応と考え、時間経過と依存して、BKやHisが反応することで血管弛緩反応を引き起こし、これが腫脹に起因すると考えられています。
これを踏まえて、次回の投稿 ” 神経の興奮からその伝導”をご確認下さい。
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