
神経の興奮からその伝導
今回は、” 神経の興奮からその伝導”について概説します。
炎症時に生成されるブラジキニン(BK)、セロトニン(5-HT)、ヒスタミン(His)はそれぞれの受容体に結合します。これらの受容体はGタンパク共役型受容体であり、Gq coupledとなります。
これらのセカンドメッセンジャー(細胞内で作用を伝える)は陽イオンを細胞内へ流入する受容体であるTRPV1(熱刺激で開口)やASIC(pHが酸性となり、H+で開口)、P2X3(ATPで開口)を活性化します。
したがって、細胞傷害時にはこれらを活性化することで細胞内の電位を浅くします。。
これら神経細胞内への陽イオンの流入は、神経細胞膜に存在するNaチャネル(電位依存性Naチャネル:Nav)を活性化します。この開口確立の増加は、活動電位を発生することになります。
では、疼痛を有する方は局所麻酔薬を用いますが、このNavに作用することで疼痛の緩和を図ろうとします。これが局所麻酔薬の作用機序となります。
では、何故効果が表れない方がいるかというと、遺伝子発現型でこのNavも種類が異なります。これが全員に局所麻酔薬の効果が表れない理由と考えられています。
また、臨床に出た際は異なる考え方をしますが、学生時にはこれらの考えをまとめておいてはいかがでしょうか。
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