
ポジショニングの考え方(1)
今回は、本ブログで今まで触れてきていない内容をお届けしたいと思います。
医療従事者で特別養護老人ホームや訪問事業などで、よく議論することが多いのではないでしょうか、“ポジショニングの考え方”についてご説明させて頂きます。
このポジショニングですが、”Positioning”と明記します。
したがって、”Position”と”~ing”の語句であることから、24時間通して介入できるという意味合いを含んでいます。
ベッド上臥床を余儀なくされる場合には、ポジショニングを考えます。それらの病態の脳血管疾患や脊髄損傷、進行性神経難病などで検討することが多いかもしれません。
ポジショニングの目的には、拘縮予防や褥瘡予防が挙がると思います。
しかし、これらには適切な評価と実施が必要です。
膝下にクッションを挿入すれば良いとか、足の間にクッションを挟むというイメージがあるかもしれませんが、それは実施方法であり考え方を整理する必要があります。
まず、拘縮予防から考えていきます。
拘縮の発症リスクを上げる1つに筋緊張の亢進が影響を及ぼしますが、筋緊張が高い場合においても適切なポジショニングは、筋緊張の亢進を抑制します。したかって、拘縮予防に繋がりますし、改善にも繋がる可能性があります。
1つの考え方に、頭頚部の位置関係を考えたことはありまでしょうか?
頭頚部の位置関係を考慮することも必要なことかもしれません。
この部分は反射なども影響していることより、緊張性頚反射や緊張性迷路反射を考えることが必要であると考えています。
緊張性頚反射には非対称性緊張性頚反射 (ATNR)と対称性緊張性頚反射 (STNR) があり、
ATNR:頚部回旋⇒顔の向いた側の上下肢の伸筋優位、反対側の屈筋優位。
STNR:頸の屈曲 ⇒ 上肢屈筋優位、下肢伸筋優位、頸の伸展 ⇒ 上肢伸筋優位、下肢屈筋優位。
これらより、適切な頭頚部の適切な位置関係をとることも必要かと思います。
次回は、肩甲帯や骨盤帯の部分を考えていきます。
執筆者:R
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