
なぜ狭心症や心筋梗塞では胸部痛が生じるのか?
今回は、なぜ狭心症や心筋梗塞では胸部痛が生じるのかを考えていきましょう。
虚血が生じた梗塞部位では、pHが酸性に傾くことや細胞傷害によりH+やK+、アデノシンが生じるとされています。
以前、痛みの部分でも紹介したことがありますが、痛みの神経終末にはH+やアデノシンを受容する侵害受容器が発現しています。
例えば、細胞外のK+濃度が上昇は細胞内の活動電位を発生する事が知られています。また、神経終末には、H+によって活性化されるASICが存在し、これらはNa+やCa2+を透過することから脱分極ないしは、これらがトリガーとなり活動電位を発生します。
これら痛みは胸部痛のみならず左頚部から上腕に出現します。
これが痛みを発生する1つの考え方となっています。
これらの痛み刺激が持続的に入力されることで、自律神経も興奮させることから、それらにより調節されている全身状態ないしは心臓も影響を受けることになります。
心筋壊死は、血管狭窄部位に依存して発生する事から、冠動脈の走行を理解する必要性がありますね。
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