
心臓の収縮②
前回の続きである”心臓の収縮”についてまとめます。
今回は、横行小管および筋小胞体についてです。
横行小管とはT管とも呼ばれ、骨格筋にも存在している事を抑えておく必要があるかと思います。
T管を活動電位が伝わることを皆さんはご存知だと思いますが、心臓には素早く電気的興奮を伝搬できるようにCa2+チャネルやNa+チャネルが発現しています。これらの存在は、広く固有心筋細胞を興奮させることで活動電位を発生し、収縮を発生します。
心筋細胞の張力発生の大きさは”心室筋>心房筋”となります。
したがって、T管は心筋細胞でよく発達していることが想定されます。
次に筋小胞体(sarcoplasmic reticulum:SR)について説明します。
SRはCa2+を貯蔵している器官になります。
したがって、心筋細胞に興奮が伝搬してきた際に、SRよりCa2+を放出し、[Ca2+]iを上昇させます。
SRは、骨格筋細胞と同様にT管の近くに散在はしていますが、骨格筋の収縮発生メカニズムの違いは、T管からのSRの距離が挙がります。
T管膜上にはジハイドロピリジン受容体が発現しており、SR膜上ではリアノジン受容体が発現しています(ちなみに、骨格筋ではRyR1/心筋ではRyR2とサブタイプが異なります)。
これらに興奮が伝わり、SRよりCa2+を放出し、[Ca2+]iを上昇させ、収縮を発生させることになります。
次回もこれらの続きをまとめていきます。
関連書籍
ぜんぶわかる心臓・血管の事典新品価格 ¥1,980から (2020/9/14 23:54時点) |