
心臓の収縮③
今回は、前回に引き続き、T管から筋小胞体(sarcoplasmic reticulum:SR)についての話題提供です。
T管およびSRについては、前回の内容を確認頂いてから読んで頂けると理解しやすいかと思います。
T管とSRの関係性は、“T管→foot構造→SR”となっています。
T管膜上にはDHP受容体、SR膜上にはRyR2受容体が発現していましたね。
DHP受容体は、L-type Ca2+ channelです。これは、電位依存性のCa2+ channelであり、Ca2+を透過します。
したがって、固有心筋細胞に活動電位が伝搬すると、電位センサーを有する電位依存性Ca2+ channelの開口確立は上昇することで、細胞内にCa2+は流入します。
細胞内にCa2+は流入により、Ca2+誘発性Ca2+遊離(Ca2+-induced Ca2+-release:CICR)を引き起こし、SRよりCa2+を遊離することで[Ca2+]i上昇する。
一方で、収縮発生を引き起こした後には、[Ca2+]i下げる必要があります。これらの1つには、SR膜上に存在するCa2+ pumpによって調節されています。このCa2+ pumpは、SRにCa2+を取り込むことにより、[Ca2+]i低下させます。
さて今回は、細胞内[Ca2+]iの調節について簡単に説明しました。
次回は、また少し違った切り口で記載させて頂きます。
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