
上司の謙虚さは部下の仕事に影響する
本日は上司(リーダー)が謙虚であれば、部下の仕事のパフォーマンスは向上するという論文を紹介します。
タイトル:Being passionate to perform: The joint effect of leader humility and follower humility.
著者:Diao H, Song LJ, Wang Y and Zhong J.
雑誌:Frontiers in Psychology. 2019;10:1-12
研究の背景
謙虚さは対人関係の特性として定義されており、1,一人一人を正確に判断する意思の現れ、2,他人の長所や貢献に対する感謝の気持ちの現れ、3,親しみやすさを意味しています。
この謙虚さは多くの人に好まれ、尊敬される上司の優れた特性ですが、上司の謙虚さが部下の仕事のパフォーマンスに与える影響については、ほとんど明らかではありません。
本研究では、上司の謙虚さが部下の仕事に対するパフォーマンスにどのような影響を与えるのかを検証しました。
方法
・中国のある企業の従業員206名とリーダー50名を対象としました。
・この従業員とリーダーに対してアンケートを実施し、1ヶ月後にも同じ従業員とリーダーに対してアンケートを実施しました。
・従業員に対しては、年齢、性別、リーダーの謙虚さ、自分自身の仕事に対する情熱、自分自身が謙虚かどうかをアンケート調査しました。
・リーダーに対しては、年齢、性別、リーダーの期間をアンケート調査しました。
・解析に関しては複雑な統計処理を行なっている為、省略します。
結果
・図1は謙虚でないリーダー(Low Leader Humility)と謙虚なリーダー(High Leader Humility)で謙虚な従業員と謙虚でない従業員が仕事に対する情熱を示しています。

謙虚な従業員は謙虚なリーダーの場合は、仕事に対する情熱は高いのに対して、謙虚でないリーダーの場合は仕事に対する情熱は低いことがわかりました。
しかし、謙虚でない従業員の場合は謙虚なリーダーであっても仕事に対する情熱は低いことがわかりました。
まとめ
・本研究は、リーダーの謙虚さが従業員(部下)の仕事のパフォーマンス(情熱)にどのように影響するかを検証することでした。
・謙虚なリーダーの場合は従業員の仕事に対する情熱が高いことがわかりました。しかし、リーダーだけでなく従業員(部下)も謙虚である必要があることがわかりました。