
きょうだいで性格が異なる理由
本日はきょうだいで性格が異なる理由について、いくつかの視点から述べている論文と著書から簡単に説明したいと思います。
全国160店舗展開、かわいい雑貨【HAPiNSオンラインショップ】
タイトル:Born to Rebel: Birth Order, Family Dynamics, and Creative Lives.
著者:Sulloway F.
著書:New York: Pantheon. 1996.
きょうだいは家族の中でそれぞれ異なる地位を確立することが明らかになっています。
第一子(長男長女)は、生まれたときに親から与えられる愛情や資源を他の人(きょうだい)と競い合うことがないため、多くの場合は親を手本にして育つことがわかっています。また、その延長線上として、権威ある人物を尊敬したり、その人を手本にして育つこともわかっています。
そのため、親の叱り方を真似してみたり、尊敬する人の指導や方法を真似るという傾向があることがわかっており、責任感があり、負けず嫌いで、自分が成功することは自分のためではなく、親や他人を喜ばせることの現れであると言われています1,2,3)。
一方で、第二子以降は生まれたときにすでにきょうだいがおり、親からの愛情や資源は兄または姉と分けなければならない状況にあります。そのため、親とは距離を置き、独自の地位を確立することが多いことがわかっています。
真ん中の子供の場合は、板挟みになることが多いために交渉や妥協が上手くなる傾向にあることがわかっています。つまり、社交的で同調性があり、誠実、年上や年下関係なく関係を築くことが上手いことがわかっています4)。
末っ子の場合は、社交的で自由人、自分の売り方を知っており、他人の気を引こうとする傾向があることがわかっています。このような性格になる理由の1つに親のしつけが関わっていると言われています。親は既に最低1回は子育てを経験しているため、子供にあまり干渉せず、大目に見ることが多いことから自由人になることが言われています。
ここまでは親の影響や親から受ける愛情、しつけによってきょうだいの性格が変わることを説明してきました。
しかし、これだけではなく遺伝や友達によっても大きく性格が異なることが明らかになっているためそれについても少し説明したいと思います。
タイトル:”Where is the child’s Environment?: A group Socialization theory of development.”
著者:Harris JR.
雑誌:Psychological Review.1995;102:458-89.
この論文の著者であるハリスによれば、子供の性格を決定する因子で最も占めるのは遺伝と友達の影響であると述べています。
この論文では行動遺伝学の研究から述べられています。
行動遺伝学によれば、遺伝、家庭環境、家庭外の環境(友達)から子供の性格を決定する割合は50:0:50であることが言われています。
つまり、遺伝が50%、家庭外の環境が50%であるということです。そのため、どのような友達と仲良くするかでその子の性格、発達に大きな影響を及ぼすことを示しており、同じ両親に育てられてもきょうだいで性格が異なることが示されています。
ただ、ここで間違ってはいけないことは一人の人間の長い人生を見たときに限るということです。
子供は親からの遺伝子を100%受け継いでおり、大抵の場合はその親から育てられるため親は重要です。ただ、その親の影響を受けるのは小学校や中学校、遅くとも成人までです。その後は、どのような友達と仲良くなるかで性格も異なってくるとこの論文では述べられています。
まとめ
・第一子は親の影響を受けやすく、親を手本にしたり、尊敬する自分物を見本にすることが多い。
・第二子以降は親とは距離を置き、独自の地位を確立する傾向がある。
・性格は遺伝やどのような友達と仲良くするかでも異なってくる。
・また、今回は説明しませんでしたが兄弟、姉妹でも性格は異なってくるようです。
参考文献
- Carette, B., Anseel, F., & Van Yperen, N. W. (2011). Born to learn or born to win? Birth order effects on achievement goals. Journal of Research In Personality, 45(5), 500-503.
- Eckstein, D., & Kaufman, J. A. (2012). The role of birth order in personality: An enduring intellectual legacy of Alfred Adler. The Journal of Individual Psychology, 68(1), 60-61.
- Stewart, Alan E., (2012). Issues in birth order research methodology: Perspectives form individual psychology. The Journal of Individual Psychology, 68(1), 75-106.
- Second-born children are more likely to be rebellious in later life than their more conservative older siblings, according to research.2009.