一般向けノート

赤ワインの効果

赤ワインにはポリフェノールが多く含まれており、これがさまざまな疾患の予防に効果的であることは知られています。

今回は赤ワインの健康に対する影響について最新の研究(レビュー)を紹介します。

タイトル:Contribution of red wine consumption to human health protection.

著者:Snopek L, Mlcek J, Sochorova L, Baron M, Hlavacova I, Jurilova T, Kizek R, et al.

雑誌:Molecules. 2018;23(7):1-16.

赤ワインの効果

赤ワインに含まれるポリフェノールは心臓の機能に対して有益な効果があることが明らかになっています1)。例えば、心筋梗塞や狭心症の予防、心臓発作の軽減です。その他にも動脈硬化、高血圧、糖尿病のリスクの軽減が報告されています。

ある研究によると、赤ワイン、紅茶、チョコレートなどのポリフェノールが多く含まれる飲食物を定期的に摂取すると血管の内皮細胞に及ぼすプラスの効果が得られたと報告しています2)

また、50-69歳の女性を対象に行った他の研究では、ポリフェノールなどの抗酸化物質(主に赤ワイン、コーヒー、紅茶、ブルーベリー、クルミ、オレンジ、シナモン、ブロッコリー)の摂取量が多い女性は心血管疾患、不整脈、高血圧、糖尿病のリスクが低かったと報告しています3)

一方で、赤ワインに多く含まれるポリフェノールの一種であるレスベラトロールは上記の研究の効果と同様に心血管障害や高血圧、糖尿病の予防に効果的であると多くの研究で報告されていますが、ヒトにおける十分なデータは少ないのが現状です。

特に薬を服薬している人に対しては定期的なレスベラトロールの摂取に関する安全上の懸念は未解決の状態です4)

ポリフェノールが多く含まれる赤ワインの種類

世界中の幅広いワインを調査してどの種類の赤ワインが一番ポリフェノールを多く含んでいるのかを調べた研究があります5)。ポリフェノールが最も多く含まれていたのはピノ・ノワールとサン・ローランでした。

ピノ・ノワールは一度は聞いたことのある名前だと思いますが、フランスのブルゴーニュ地方を代表する高貴品種です。華やかな香りを特徴としており、エレガントな味わいのワインを生み出します。

サン・ローランは非常に芳香の強い暗い果色のブドウです。サン・ローランはチェコの赤ブドウ品種の中で最も栽培されており、オーストリアでは3番目に主要な品種です。

1日の適切な摂取量

ピノ・ノワールとサン・ローランの2種類の赤ワインの1日の適切な摂取量を調べています5)。男性では300ml、女性では200mlでした。この量を定期的に摂取することで心血管疾患や癌のリスクを低下させると報告しています。

他の研究でも、男性450ml、女性150mlの赤ワインを毎日長期的に摂取すると動脈硬化の減少、脂質代謝、血管の内皮機能が改善したと報告しています6)

まとめ

・赤ワインは心血管障害、高血圧、糖尿病などの予防に効果的であると様々な論文で報告されていますが、まだヒトにおいては十分なデータが得られていないのが現状です。

・最もポリフェノールが含まれている赤ワインはピノ・ノワールとサン・ローランです。

・1日の適切な摂取量は男性が300-450ml、女性が150-200mlです。

参考文献

  1. Kim, J.H.; Auger, C.; Kurita, I.; Anselm, E.; Rivoarilala, L.O.; Lee, H.J.; Schini-Kerth, V.B. Aronia melanocarpa juice, a rich source of polyphenols, induces endothelium-dependent relaxations in porcine coronary arteries via the redox-sensitive activation of endothelial nitric oxide synthase. Nitric Oxide-Biol. Chem. 2013, 35, 54–64.
  2. Schini-Kerth, V.B.; Auger, C.; Étienne-Selloum, N.; Chataigneau, T. Polyphenol-Induced Endothelium-Dependent Relaxations: Role of NO and EDHF. Cardiovasc. Pharmacol. Endothel. Control 2010, 60, 133–175.
  3. Qureshi, S.A.; Lund, A.C.; Veierød, M.B.; Carlsen, M.H.; Blomhoff, R.; Andersen, L.F.; Ursin, G. Food items contributing most to variation in antioxidant intake; a cross-sectional study among Norwegian women. BMC Public Health 2014, 14.
  4. Tomé-Carneiro, J.; Larrosa, M.; González-Sarrías, A.; Tomas-Barberan, F.; Teresa Garcia-Conesa, M.; Carlos Espin, J. Resveratrol and Clinical Trials: The Crossroad from In Vitro Studies to Human Evidence. Curr. Pharm. Des. 2013, 19, 6064–6093.
  5. Montsko, G.; Ohmacht, R.; Mark, L. trans-Resveratrol and trans-Piceid Content of Hungarian Wines. Chromatographia 2010, 71, 121–124.
  6. Vilahur, G.; Badimon, L. Antiplatelet properties of natural products. Vasc. Pharmacol. 2013, 59, 67–75.

投稿者

tsujimoto.kengo8762@gmail.com

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