一般向けノート

習慣化にかかる期間

「継続は力なり」ということわざがありますが、逆に「3日坊主」ということわざもあります。

私たちは何か新しいことを初めたときに継続できることもあれば、挫折してやめてしまうこともあります。挫折してしまう理由は人ぞれぞれですが、その1つに習慣化されていないことが挙げられます。

習慣化されていれば効率的に少ない努力でそのことに取り組むことが可能になってきます。

では、習慣化するまでにどれくらいの期間がかかるのでしょうか?

本日は習慣化にかかる期間を調べた研究を紹介します。

タイトル:How are habits formed : Modelling habit formation in the real world.

著者:Lally P, Jaarsveld C, Potts H, Wardle J.

雑誌:European journal of Social Psychology. 2010;40:998-1009.

研究の背景

新しく何かを始めるときは目的があり、その目的に向けて計画が立てられます。例えば、最近太ってきたからダイエットをするときに体重を減らすという目的があり、何キロ痩せるという計画を立てます。あるいは何か資格を取得する目的で勉強したりします。

このダイエットや勉強が習慣化されていれば、より効率的に、より少ない努力で行うことが可能になります。しかし、習慣化されていないと体力的にも精神的にも辛くなり、挫折に繋がることもあります。

習慣化を形成するためにどれくらいの時間が必要かを知ることができれば挫折も少なくなると考えられます。

しかし、個人における習慣化の形成プロセスを調査した研究はありません。

そこで本研究では、習慣化にかかる期間を調査しました。

方法

・被験者は96名(男性:30名、平均年齢:27歳)でした。

・検証期間は12週間としました。

・被験者には習慣化したいと思っていることを自ら選択してもらいました。

例えば、「昼食時に果物を1つ食べる」、「昼食事にペットボトル1本の水を飲む」、「夕食前に15分間運動する」などが挙げられました。

・また、毎日研究サイトにログインし、その行動を行ったかどうかを報告してもらいました。

・習慣化の評価は、Self-report habit index (SRHI)という12項目からなる質問指標で7段階(「自動的に行える」、「考えずに行える」、「行うことは難しい」など)からなる評価指標を用いました。

結果

・被験者が選択した課題は、食べる(野菜など健康的なものを食べる)が27名、飲む(水など)が31名、運動をするが34名、その他(瞑想など)が4名でした。

習慣化するまでの平均日数(中央値)は66日で、18日から254日の範囲で習慣化が起こることがわかりました。

・また、1日その課題を行わなくても習慣化に影響することは少ないことがわかりました。

まとめ

・本研究では習慣化にかかる期間を調べました。

・習慣化には平均66日必要なことがわかりました。しかし、習慣化までの幅は18日から254日と個人によっても大きく異なることがわかりました。これは様々な要因がありますが、1つの要因として環境因子(仕事の忙しさや家庭環境)の影響が考えられます。

・また、1日行わなくても習慣化に影響することは少ないことがわかりました。

投稿者

kengo.brain.science@gmail.com

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2021年3月15日