医療従事者・研究者用ノート

上頭頂小葉のサブ領域の機能

上頭頂小葉は視覚、記憶、注意などさまざまな機能に重要な領域であり、8つのサブ領域が存在しています。

しかし、各サブ領域の詳細な機能は明らかではありません。

本日は、上頭頂小葉のサブ領域が他の皮質領域またはネットワークとの接続性がどのように異なるかを調べた研究を紹介します。

QLife

タイトル:Investigating the sub-regions of the superior parietal cortex using functional magnetic resonance imaging connectivity.

著者:Alahmadi A.

雑誌:Insights into Imaging. 2021;12(1):1-12.

研究の背景

上頭頂小葉は運動視、感覚、作業記憶、注意などさまざまな機能に重要な役割があることが明らかになっています1-5)

これらの多くは機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を用いて調査されてきました。そして、脳の機能的ネットワークのメカニズムを理解するために役立つ技術として安静時機能的結合があります。この安静時機能的結合は自発的な低周波信号が構造的に有意に相関していることを示す研究から得られた根拠により、resting-state fMRIで観察された自発的な揺らぎが実験課題と連続的に相関する機能的ネットワークを生み出していることも示唆されています6)

さらに過去には上頭頂小葉の皮質組織をより理解するために10名の死後脳を組織確率マップに基づく細胞構造解析を用いて調べた研究があります7,8,9)

これらの研究から上頭頂小葉は8つのサブ領域に細分化されていることが明らかになっています。その8つの領域が図1の7A、7M、7P、7P C、5M、5L、5CiとhIP3(図1には記載なし)です。

図1

4つがブロードマン 7野、3つがブロードマン 5野に位置しています。この8つの領域は受容体の分布パターンと各領域の細胞構造上の特性が異なっています。しかし、上記の先行研究ではこれらの領域は上頭頂小葉の単一の皮質領域として関与していると主張しています。そのため、サブ領域の機能的な役割はまだ十分に明らかになっていません。

8つの領域が解剖学的にも異なっているため、他の皮質領域との機能的な接続性においても違いがあると考えられます。

そこで、本研究では、上頭頂小葉の7つのサブ領域(hIP3を除く)が他の皮質領域またはネットワークと機能的な接続性がどのように異なるかを明らかにすることとしました。

方法

・198名の健常者(女性:123名、年齢:18-30歳)を対象にresting-state fMRIを撮像し、左右上頭頂小葉の7つのサブ領域と左右の他の8つのネットワーク領域との機能的結合を調べた。

・他の8皮質領域またはネットワークは感覚運動領域、視覚領域、言語領域、小脳、デフォルトモードネットワーク、サリエンシーネットワーク、背側注意経路、前頭-頭頂ネットワークであった。

結果

・上頭頂小葉の7つのサブ領域のほとんどが設定した8つのネットワーク領域と機能的結合があり、さらに機能的接続パターンに違いがあることがわかった。

・ブロードマン 5野と7野に一貫して接続性が認められたのは視覚領域と注意ネットワークであった。

・しかし、ブロードマン5野と7野で明らかに違いが認められる領域もあった。例えば、5野では感覚-運動ネットワーク、サリエンシーネットワークとの接続性が強かった。

・詳しい結果の図を知りたい方は下記U R Lから確認して下さい。論文には上頭頂小葉の7つのサブ領域がどのネットワークの領域と機能的な接続性を持っているかをわかりやすい図で示してあります。

https://insightsimaging.springeropen.com/articles/10.1186/s13244-021-00993-9

まとめ

・本研究では上頭頂小葉の7つのサブ領域が他の皮質領域またはネットワークとの接続性の違いについて調べた。

・上頭頂小葉は視覚と注意機能に重要な役割を果たしていることが示唆され、他の領域やネットワークとの接続性についてはサブ領域で違いが認められた。

・上頭頂小葉は異なる複雑な構造的かつ機能的接続性を持っていることが示唆された。

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参考文献

  1. Wang J et al (2015) Convergent functional architecture of the superior parietal lobule unraveled with multimodal neuroimaging approaches. Hum Brain Mapp 36(1):238–257.
  2. Culham JC, Valyear KF (2006) Human parietal cortex in action. Curr Opin Neurobiol 16(2):205–212.
  3. Weiss PH et al (2003) Are action and perception in near and far space additive or interactive factors? Neuroimage 18(4):837–846.
  4. Vingerhoets G et al (2002) Motor imagery in mental rotation: an fMRI study. Neuroimage 17(3):1623–1633.
  5. Zago L, Tzourio-Mazoyer N (2002) Distinguishing visuospatial working memory and complex mental calculation areas within the parietal lobes. Neurosci Lett 331(1):45–49.
  6. Smith SM et al (2009) Correspondence of the brain’s functional architecture during activation and rest. Proc Natl Acad Sci 106(31):13040–13045.
  7. Scheperjans F et al (2008) Probabilistic maps, morphometry, and variability of cytoarchitectonic areas in the human superior parietal cortex. Cereb Cortex 18(9):2141–2157.
  8. Scheperjans F et al (2005) Subdivisions of human parietal area 5 revealed by quantitative receptor autoradiography: a parietal region between motor, somatosensory, and cingulate cortical areas. Neuroimage 25(3):975–992.
  9. Scheperjans F et al (2005) Transmitter receptors reveal segregation of cortical areas in the human superior parietal cortex: relations to visual and somatosensory regions. Neuroimage 28(2):362–379.

投稿者

tsujimoto.kengo8762@gmail.com

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